(3)香草・樹脂

大茴香(ダイウイキョウ)
Star Anise
原産地:中国

中国南部やインドシナ半島北部に自生するモクレン科の常緑樹の実 。完熟してから採集し、乾燥させる。八角の星型をしているので八 角茴香ともいう。香料としての他、スパイス・防腐剤に。また、健胃剤としての薬効もあり。

薫陸(クンロク)
Pistacia Khinjuk
原産地:インドネシア・他

インド・イラン原産のクンロクコウ類より分泌する樹脂が、土中に埋没して生じた半化石状樹脂。正倉院などにも古くより伝わり、五香の一つにも数えられるなど、重要な香料だが、現在の使用量は少ない。

乳香(ニュウコウ)
Olibanum
原産地:アフリカ・アラビア

アラブ、エチオピア、インド方面に自生する乳香樹の樹脂。没薬と同じく最古の香料の一つ。どちらもキリスト教会で焚香料としてよく使われる。固まった樹脂は黄白色だが、樹液は乳白色でそれが名の由来となっている。

丁字(チョウジ)
Clove
原産地:アフリカ

フトモモ科の常緑樹高木(Eugenia caryophyllata)の花蕾を乾燥させて用いたもの。原産地はモッルカ諸島だが、インドネシアや東アフリカ諸島などに移植され、現在はこれらの地方が主産地になっている。日本へは主にザンジバル島産が輸入されている。名の由来は、蕾が釘の形に似ているからで、丁香ともいう。胡椒と並ぶ代表的なスパイスで、大航海時代には歴史を動かすほど貴重なものであった。匂い香・焼香・線香などに広く使われる他、防腐剤・健胃剤としての薬効も高い。

桂皮(ケイヒ)
Cinnamon, Cassia
原産地:中国・ベトナム

クスノキ科の常緑樹高木の樹皮。主としてスリランカ産のセイロン桂皮をシナモン、中国やベトナム産をカシアと分け、香りも若干異なる。現在日本に輸入されているのは広南桂皮・東興桂皮と呼ばれる中国産が多く、ベトナム桂皮も良質のためかなり入っている。香料・食品香料として重用される他、生薬としても健胃その他に幅広く使われる。

龍脳(リュウノウ)
Borneol
原産地:インドネシア

龍脳樹の樹脂が沁み出し、結晶化したもの。揮発性が高く、鼻を突き抜けるような清涼感あふれる芳香が特徴。天然龍脳(写真)は、刺激の中にふくよかな柔らか味を持つ優れた香料であるが、希少品のため代用品が一般的。防虫・防腐効果も高い。龍脳樹が害虫を排除するために作り出した成分が樹脂に含まれていると考えられる。

安息香(アンソクコウ)
Benzoin
原産地:インドネシア・他

タイ・インドネシアに産するエゴノキ科の安息香樹の樹脂。最上品がアーモンド・グレードで、このサンプルがそれである。下級品は『飛行機印』『タンク印』『オークツリー印』等のプライベートグレードに分けて輸入されている。甘い香りで香料の他、呼吸器系に薬効がある。

甘松(カンショ)
Nader Spikenar
原産地:中国

中国・インド等に産するオミナエシ科の草本の根・茎。香料としては根が適し、茎は生薬として鎮静・胃健などに用いる。現在日本に入荷しているのは殆どが中国産品である。

山奈(サンナ)
Kamferia Rhizome
原産地:中国

中国南部産の多年草の根・茎。輪切りにし、乾燥させて用いる。防虫効果があり、衣類の虫除けとして匂香等によく使われる。

零陵香(レイリョウコウ)
Foenun Graecum
原産地:中国

サクラ草科の草本。パチョリと同じく乾燥させて用いる。零陵の名は中国での産地名。中国産と台湾産が流通しているが、中国産が良質。香料の他スパイスとしてカレー粉等にも使われる。

排草香(ハイソウコウ)
Agastaches
原産地:中国

中国産の草本の茎・根。特に根に香りが強い。清涼感のあるクールな香りで、粉末にして線香によく使われる。

鬱金(ウコン)
Turmeric
原産地:インド

ショウガ科ウコン属の多年生草本ウコンの根茎。南アジア原産だが現在の主産地はインド。染料やカレー粉の原料として有名だが、平安時代には香料として五香の一つに数えられる程だった。健胃薬としても用いられる。

没薬(モツヤク)
Myrrh
原産地:アフリカ・アラビア

フウロソウ目カンラン科ミラルノキ属の樹脂。アラビア地方が主産地で最古の香料の一つ。焚香料としての用途の他に、防腐剤としてミイラ作りに使われ、その語源となったのは有名。(英名:ミルラ) 鎮静・鎮痛効果もある。

椨(タブ)
Thunbergii
原産地:日本・東南アジア

クスノキ科の常緑高木で、その樹皮を粉にし、線香のつなぎ剤として原料を線状に固めるために使用する。九州・沖縄などの国内産や東南アジアからの輸入品を使うが、中でも八重山諸島産が良質。

菖蒲根(ショウブコン)
Acarus Calamus
原産地:アジア北部

アジア北部原産のサトイモ科植物の根。刻・粉末にして使用するが、精油も重要。端午の節句の菖蒲湯は、この葉を使う。

青木香(セイモッコウ)
Saussurea Root
原産地:インド・中国

インド・中国産のウマノスズクサの根。古代にはよく使われたようで、正倉院買物帳などにも名が出て来る。防虫効果を生かし、香料として匂袋などに使われる他、薬材として鎮痛・消炎効果もある。

蘇合香(ソゴウコウ)
Styrax
原産地:トルコ

小アジア産のエゴノキ科の木から採れる樹脂と、マンサク科の木から採れる流動樹脂とがあるが、現在はこの流動蘇合香が主に使われ、トルコより輸入される。法隆寺財産目録にも名があり、当時は香料の他、薬としても用いられたが、現在は香料としてのみ使用。