(3) 国立能楽堂企画公演「香と能=その一」(2002年8月22日開催)

参加希望者が定員の3倍を超える事態となり、ご参加下さった皆様から想像以上の反響を賜わった2000年
開催の公開講座から約2年が経過した頃、当時お世話になった猪又 宏治氏と新たな企画の相談が始まりました。
それは、「次は、企画公演として『香と能』を採り上げよう」という画期的な試みについてのものでした。
楽しい苦労が大好きな二人は、打ち合わせを重ねて、次のような骨組みをまとめました。

・『香を聞くことの神髄と、能を観ることの神髄とが、実は同じものである』ことを主旨とする。
・志野流香道第二十世家元 蜂谷 宗玄宗匠に、能舞台で講演して戴く。
・その後、梅若 恭行氏にご登場戴き、御家元の略手前による銘香二種を堪能して戴く。
(当日は、梅若 恭行氏体調不良により、梅若 六郎氏が代役を務められました。)
・並行して、会場の参加者にも聞香炉をお回しする。 (協力:志野流香道麻布教場)
・舞台では、お二人による対談が進行する。
・梅若氏は、準備のため早めに退場される。
・参加者に聞香炉が回り終えたら、休憩に入る。
・以上の第一部に引き続き、第二部は能「経政」(観世流)を上演。

梅若氏がその体内に深く浸透させた銘香のかおりは、果たして梅若氏自らが放つシテとしての“かおり”と、
幽玄の境地に至る融合を為し得たのでしょうか?
その答えは、両者を聞き比べることが叶った当日の参加者一人ひとりの全身全霊だけが知っているのです。

※資料はこちらをクリックされるとご覧いただけます。
①「表紙」
②『志野流香道―伝え続ける「道」の心』(蜂谷 宗玄)
③「沈水香木 極」及び「志野流伝来形忍草蒔絵十種香箱皆具」
④『能のかおり』(山田 眞裕)