「神崎秀珠追善舞踊会」に伽羅を供香

地唄舞 神崎流の御家元 神崎えん様は、舞台に伽羅の香を漂わせることを好まれます。
故武原はん様もそうでしたが、客席まで行き渡らなくとも、馥郁たる芳香に包まれつつ舞えれば…
とのお気持ちのようです。

3月24日(月)、国立小劇場にて先代御家元を偲ぶ追善舞踊会を催されますが、今回もご要請を賜わり、
「袖香爐」の舞台に伽羅を供えさせていただきます。

この曲は、峰崎勾当が師匠(豊賀検校)の追善のために作曲したものだそうで、
「春の夜の 闇はあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やは隠るる」(凡河内躬恒、古今和歌集)により、
亡き人を偲ぶ心が籠められています。

たき終えた後は客席にご招待いただき、麻実れい様・阿川佐和子様・渡辺 保氏による鼎談を堪能させて戴ける
とのこと、とても楽しみにしています。
伽羅の香が客席のどの辺りまで届いているかを確かめるという興味もさることながら、
ご縁のある麻実様・阿川様に久しぶりでお目に掛かれるのが嬉しくて、わくわくしています。

麻実様は宝塚時代、楽屋見舞いの返礼に、いつも防虫におい袋「花つづれ」を畳紙に納め特製の熨斗紙
(榛原さんの手漉き和紙)を掛けた品を大量に用意されるのが慣わしでした。

阿川様とは、某婦人雑誌の特集企画で香道御家流御宗家三条西堯水宗匠に一日入門していただいた際に対談し、
呑み込みの速さ、切れ味鋭い突っ込み、素敵なリポートの文面などに感嘆した記憶が鮮明に残っています。

故武原はん様とのご縁が永い年月を経た今でも繋がっていることに改めて思いを巡らし、感謝する次第です。

(麻布 香雅堂 主人)