小日向の名刹 本法寺さんで聞香体験

夏目漱石ゆかりの寺として知られ、名作『坊っちゃん』にもモデルとして登場する高源山随自院本法寺様からお招きを頂戴し、
聞香体験を開催させていただきました。
本法寺は、浄土真宗の開祖親鸞聖人から八代目に当たる蓮如上人により近江国堅田に創建され、その後宝永2年(1705年)
に文京区小日向の現在地に移転された、永い歴史を誇る名刹です。
また、代々江戸の名主を務めた夏目家の菩提寺でもあります。
亡き母や長兄・次兄の墓参に度々本法寺を訪れた漱石は、明治29年の松の内に『梅の花 不肖なれども 梅の花』の句を
詠みました。母親への深い想いが感じられ、胸を打ちます。
漱石が講師を務めた縁により早稲田大学第14代総長奥島孝康が揮毫した句碑が建てられており、都内でありながら自然に
恵まれた閑静な境内に、一層の趣を添えています。

会場となったお座敷の外には、素敵な庭が広がっています。
小日向の自然の地形を上手く採り入れた、“作り過ぎない”と表現すれば良いのか、“素朴な”で言い足りるのか・・・そうです、
花木や草、鳥、昆虫、水棲動物たちにとって居心地が良さそうな環境が、とても素敵なお庭です。
池には小魚やカワニナ(蛍の幼虫のご飯になる、小さな巻貝)、沢蟹も棲みついていて、時折り翡翠(かわせみ)さえ姿を
見せてくれるそうです。
今日も来ているかなと一生懸命に目を凝らして探しましたが、幻の鳥に出会うことはできませんでした。
木の枝にキジバトのカップルがさりげなく長居していて、ズームで撮影してみたのですが、見事に背景に溶け込んでいて
見分けがつかないため、写真は割愛します。
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本法寺さんではお茶の教室が開かれていて、今日は初釜に添える形で聞香体験が開催されました。
お正客・次客は、ご住職ご夫妻です。
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ご住職は、仏教儀式はもとより雅楽など伝統文化に対する造詣も深く香木にも大変にお詳しい知識人なのですが、
全く偉ぶることなくいつも柔和で優しいお人柄です。奥様もこれまた明るく元気で開放的なお人柄で、茶道の講師を務めて
おられる長谷川 宗冨先生(写真右から二人目)は奥様のご友人とあってか更に元気で開放的、おかげで教室の生徒の皆様
も和やか・賑やかで、大いにリラックスして体験に臨んで下さいました。
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聞香に先立って、香木の解説をさせていただきました。
下の写真は、産地によって大きく特徴が異なる白檀の一例として、オーストラリア産の白檀を皆様に回しているところです。
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今日は名古屋で志野流御家元の講習会が開催されており、あいにく香雅堂主人のみで担当させていただきましたが、
皆様のおかげでとても楽しく有意義なひとときを過ごすことができ、感謝申し上げます。
終了後に立礼席で頂戴したお菓子もお薄も、美味しかったです!
ご住職と談笑しながら点心までご一緒させていただき、嬉しい一日でした。
(麻布 香雅堂 主人)