椿山荘「料亭 錦水」に香満ち、蛍舞う。

すっかり報告が遅くなりましたが、椿山荘での香道体験「蛍狩香」を何とか無事に催行でき、忙しくも楽しいひと時を
過ごして参りました。
『何とか』の中味には後ほど触れることにして、今回は香木解説のサンプルとして黄熟香の大きな塊を回しました。
この黄熟香については、改めて別の機会に詳細を記しますが、正倉院の『蘭麝待』と同種の香木とあって、
皆さま興味津々でした。

椿山荘、蛍、組香、御家流、2012年6月、香道体験-(8)

香道体験は、香雅堂2階「守拙庵」で稽古をされている香道御家流麻布会(第23代三條西堯水宗家門下)
にご担当いただきました。
「蛍狩香」の参加者は約40名。1列10名様×4列で聞香炉を回したのですが、お手前は大忙し、大変でした。

椿山荘、蛍、組香、御家流、2012年6月、香道体験-(10)

試香は2種。本香は試香のある2種に加えて客香が1種2炉、計4回聞香炉が回ってきます。
試香になかった香りを聞き分けて、それが2回目に出た時に「源氏蛍」と答えるのですが、初めて体験される
参加者にはかなり難しい組香です。
皆さま、源氏蛍を探し出そうと、真剣に聞き入っておられました。
椿山荘、蛍、組香、御家流、2012年6月、香道体験-(13)
組香の難易度は、使用する香木の選び方(香組)次第で高くも低くも自由に設定できます。
初めての体験者が多い場合、なるべく簡単に聞き分けられるよう工夫することが多いのですが、今回は、
ちょっと難しめに組んでみました。

試がある2種には真那賀・黄熟香を、客香には伽羅を使うことにしたのです。
真那賀には、伽羅を代用するものではなく、昔ながらの沈香の真那賀を選びました。それでも多少は “伽羅立ち”
します。黄熟香も、上質でしかも火加減が合うと下手な伽羅より好ましく立ったりしてしまいます。
そこで伽羅には、力強く存在感のある堂々とした名香を選びました。
それでも、初めて体験する参加者にとっては、聞き分けるのは至難の業だったと思います。
ちょっと難し過ぎたかな?と心配しましたが、全問正解者が二人おられ、ホッと一安心でした。
また、伽羅の香りが本当に良かったと喜んでいただけたことも、嬉しい限りでした。

約40名の参加者に同時に組香を楽しんでいただくのはかなり忙しいもので、しかも全員の記録を作成したために
かなり時間を取られてしまい、拝見までお待たせしてしまった方々もおられました。
いずれアンケートの集計がまとまったら拝読して参考にし、次回以降の対策に活かせればと考えています。
ところで昼食の特別御膳はメインがお刺身で、とても美味しく頂戴しました。
台風4号が本州に迫り来る中、大した雨にもならず無事に終えられて、何よりでした。
次回第3弾は、秋に企画することになりそうです。ご期待下さいませ。
(麻布 香雅堂 主人)